固定電話の着信を携帯に無料で転送する方法

転送電話を無料にする

個人事業主や小規模事業者の方で、事務所で常に電話応対できるわけでなないので、携帯に転送されているところが多いと思います。キャリアの転送電話サービスといえば、NTTならば「ボイスワープ」、ソフトバンクなら「多機能電話サービス」、KDDIなら「着信転送サービス」とありますが、携帯電話への転送通話料は無料ではなく有料です。個人事業主で外出中の着信が多いかただと転送通話料だけでも月で1万円を超えることがほとんどだそうです。今回はそのような着信通話料を削減または無料にする方法を考えてみました。

転送通話料削減の考え方

キャリアの転送電話サービスを使うと通話料がかかってしまうため、一旦ビジネスホンで着信を受けて、携帯向け通話料が無料になる回線で携帯つなぐ、という形になります。弊社が得意にしているサクサのビジネスホン「PLATIA」を利用した場合、その方法は下記に挙げる4パターンとなります。

  1. ビジネスホンによる自動電話転送(固定回線 通話無料)
  2. ビジネスホンによる自動電話転送(E-Connect&携帯電話通話し放題プラン)
  3. スマホ内線「MLiner」+携帯通話し放題プラン
  4. SIPスマホ内線を利用。インターネット経由で電話を着信

それぞれ一長一短がありますので、解説していきます。

1.携帯宛の通話料が無料になる固定回線(通話無料サービス)を利用する

固定電話回線で携帯電話宛の通話が無料になるサービスがあります。そのサービスを利用して、ビジネスホンの外線着信を携帯電話へ転送します。弊社調べで、携帯電話宛の通話無料になるサービスは下表となります。基本的に固定電話から携帯電話宛の通話が無料になるサービスは、固定回線と携帯電話が同一キャリアに限られます。自分の使っている携帯キャリア、固定電話サービスに合わせてください。

キャリア割引サービス名固定電話回線名割引サービス
定額料(月額)
個人・法人
KDDIauまとめトークauおうち電話(auひかり、ケーブルプラス、au one net IP電話、J:COM PHONE、コミュファ)無料個人向
ソフトバンクホワイトコール24ソフトバンク(おうちのでんわ、ホワイト光電話、おとく光電話、BBフォン、ケーブルライン)
TOKAIケーブルネットワーク(ひかりdeトーク)
NURO光電話
無料個人向
ソフトバンクホワイトライン24
(おとくライン)
おとくライン(アナログ、ISDN)アナログ500円
ISDN 1,000円
法人向
ドコモファミリー割(家族間通話無料)
ビジネス通話割引
homeでんわ無料個人向
法人向

そして、携帯電話への着信転送を無料にする方法は下図になります。

  1. 発信元から事務所へ電話。ビジネスホン外線1に着信します。
  2. ビジネスホンでいったん着信を受けますが、発信元にはまだ呼出音を送出して呼出中であることを疑似します。しかし発信元はこの時点から通話料が発生します。
  3. 転送先の携帯電話へ別回線を利用して携帯電話へ発信します。この別回線は先表のような携帯宛の通話無料回線を利用します。
  4. 携帯電話でこの着信を取ると、①の通話回線と③の通話回線をつないで、PLATIA経由で発信元と転送先で通話ができるようになります。

この構成のメリット・デメリットは下表となります。

メリットデメリット
構成がシンプルで構築が容易。初期費用が安い発信元はビジネスホン着信時に通話料が発生してしまう
電話回線を利用した通話なので、通話品質は良い転送用に固定電話回線を用意する必要がある
個人事業主・小規模事業者向け転送通話料を無料にするためには、固定回線と携帯電話のキャリアを合わせ、割引サービスの申し込みが必要
転送通話中は固定電話回線を2回線占有する
発信元の電話番号が転送先に通知されない(転送用の固定電話回線の番号が通知される)

2.携帯の通話し放題プランを利用。携帯電話とビジネスホンをE-Connectで接続する

先の1の場合は、固定電話回線と携帯電話のキャリアを合わせて固定電話から携帯電話宛通話料を無料にする必要がありました。こちらは携帯電話の通話し放題プランを使うため、転送先の携帯電話を問わないというところがメリットです。構成図は下記の通りになります。

メリットデメリット
構成がシンプルで構築が容易発信元はビジネスホン着信時に通話料が発生してしまう
転送先の携帯電話キャリアを問わない1.の構成に比べE-Connectが必要で初期コストが高くなる
電話回線を利用した通話なので、通話品質は良い転送用に携帯電話と通話し放題プランの携帯電話回線が必要になる
個人事業主・小規模事業者向け転送通話中は固定電話回線を2回線占有する
発信元の電話番号が転送先に通知されない(転送用の携帯電話の番号が通知される)

3.スマホの通話し放題プランを利用。スマホ内線「MLiner」を利用

「MLiner」はサクサPLATIAの標準的なスマホ内線アプリになります。特徴として、呼制御等はインターネットを利用しますが、通話自体は通話回線を利用します。転送までのフローとメリットデメリットを下記にまとめます。

メリットデメリット
転送先に発信元の電話番号が通知される呼制御をインターネットを利用するため固定グローバルIPアドレスまたはDDNS(ダイナミックDNS)が必要になる
MLiner自体は主装置に2ライセンス無償で付属
追加ライセンスも安価

初期費用も安い
MLiner通話用に外線が必要になる。MLinerでの同時通話数分の外線数が必要
電話回線を利用した通話なので、通話品質は良い④のアプリ応答後に⑤発信操作して、⑥の主装置側で外線着信をして初めて発信元と転送先の通話が確立するので、通話ができるまで時間がかかる
MLinerで通話時に携帯電話番号に着信しても切断されない。
話中になる。
MLinerの操作・画面遷移に慣れが必要
PUSH通知対応なのでスマホの電池消費が少ない

「MLiner」は通話に携帯電話の通話回線を利用するため、アプリ操作に少し癖があります。慣れれば問題なく使えます。また着信応答時に初めて通話回線の発信を行いますので、通話確立まで若干タイムラグがあり、発信元を待たせるところはあります。ただ初期費用も安くでき、もともと通話し放題プランに加入していれば導入は容易ですのでおススメです。

4.SIPスマホ内線を利用。インターネット経由で電話を着信

最後に一般できなSIPを利用したスマホ内線です。弊社はコスト・セキュリティーの観点からスマホ~主装置間をVPNで接続することを推奨しまします。

メリットデメリット
転送先に発信元の電話番号が通知される呼制御をインターネットを利用するため固定グローバルIPアドレスまたはDDNS(ダイナミックDNS)が必要になる
SoftPhoneアプリ自体は無料で利用可能インターネットでの通話のため、通話品質はあくまでベストエフォート
中規模以上の事業者向けSoftPhoneアプリで通話中、携帯電話の番号に着信があると通話が切断(または中断)される
インターネットで通話をするため、
スマホと主装置をつなぐ通話用外線が不要
セキュリティーなど別途考慮が必要
MLinerと比べ、着信応答のレスポンスはよいSIPアプリの設定や主装置側の設定、チューニングが必要

まとめ

事務所の電話を携帯に転送電話料が無料になる方法について、4パターンまとめました。個人事業主向け、中規模事業者向け、転送用に無料通話回線の要否、アプリの使い勝手・使用感でいずれも一朝一旦あります。弊社でそれぞれの構成でデモ・使用感をお試しするためにビジネスホン主装置の評価機貸し出しを行っています。転送電話が1万円近くなる事業者の方は1年~2年で元が取れる投資となります。ぜひご検討ください。